韓国の月周回探査機「タヌリ」が、スペースXのファルコン9ロケット第2段が月面に衝突して残したクレーターの画像を初めて捉えた。広大な月面のスケールと比較すると、そのクレーターはごく小さなものだという。WIRED.jpが報じた。
宇宙開発が民間主導へとシフトするなかで、「打ち上げたロケットの残骸が最終的にどこへ行くのか」という問いが、改めてリアルな形で浮かび上がってきた一件です。
ファルコン9の第2段は、通常の運用では大気圏再突入で燃え尽きますが、軌道や打ち上げ条件によっては月引力に捕捉されて月面に落下するケースがあると言われています。今回の衝突跡が確認されたことで、「軌道上のデブリ問題は地球周回軌道だけの話ではない」という認識が、より具体的な画像として示された形です。
注目したいのは、この映像を撮影したのが韓国の月周回探査機「タヌリ」だという点です。NASAのLROや中国の探査機ではなく、韓国初の月探査機が今回の歴史的記録を担ったことは、アジアの宇宙探査能力の成熟を示す象徴的なシーンとも言えます。
【編集部補足】月面のデブリ問題については、現時点で国際的な規制枠組みは存在するものの、月面への意図しない物体の落下を明示的に禁じる条約は整備途上とされています。スペースデブリをめぐる議論はこれまで地球周回軌道に集中しがちでしたが、月周回・月面への民間ミッションが増加するにつれ、月面環境の保護や「宇宙汚染」の定義をどこまで広げるかという議論が活発になりつつある、と業界では言われています。いずれにしても、今回のような可視化された記録が政策議論の起点になっていくことは、十分に考えられるところです。
「広大な月面と比べればごく小さい」という表現が記事に添えられていますが、それは安心材料である一方で、今後ミッション数が増えれば積み重なっていく性質のものでもあります。静かだけれどじわじわ重い話です。
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