2022年カタール大会で「三苫の1ミリ」として話題になったVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)技術。実はビデオ映像の目視確認にとどまらず、AIを活用した選手およびボールのリアルタイムトラッキングシステムが組み合わさっていた。2026年W杯ではこの仕組みがさらに進化し、オフサイド判定の精度とスピードが大幅に向上したという。ASCII.jpがその技術的な裏側を解説している。
カタール大会で世界中を驚かせた「三苫の1ミリ」判定は、単純に映像を拡大して目で確認したわけではなかった。あの精度を実現していたのは、複数カメラによる三次元トラッキングとAI解析の組み合わせだ。ボールや選手の骨格キーポイントを毎フレームで検出し、接触瞬間の座標を算出するという、スポーツ映像技術としてはかなり踏み込んだ実装だった。
今大会(2026年)での進化の核心は「判定にかかる時間の短縮」にある。従来のVARは映像確認とレビューの往復で数分かかることも珍しくなく、競技の流れが何度も止まることへの批判は根強かった。AIトラッキングの精度が上がり判断ロジックが整備されるほど、人間のレビュアーが映像を見直す回数を減らせる。「速さ」と「正確さ」はトレードオフになりやすい技術領域だが、ここではAIが両方の改善に寄与している構図だ。
もう一点、注目したいのは「判定の可視化」という側面だ。スタジアムのビジョンやブロードキャスト映像でトラッキングラインや骨格モデルが表示されるようになったことで、観客・視聴者が「なぜそう判定されたか」を直感的に理解できるようになった。審判技術は長らくブラックボックスで、異議申し立ての余地がない権威的なものだったが、AIの介在によって判定プロセスが「見える化」されつつある。これはスポーツの公正性に対する信頼構築という意味で、競技ルールの外にある副次的な価値だと思う。
【編集部補足】スポーツへのAIトラッキング導入は、一般に「計測精度の限界をどこに置くか」という議論と切り離せない。骨格推定や座標変換には誤差が存在し、「1ミリ単位」の判定が本当に物理的事実を反映しているのかという批判は、技術コミュニティでも議論になることがある。元記事が精度・スピード向上を報じるなかで、その限界や残課題についても今後の続報に期待したいところだ。
関連商品(広告)
カメラ関連製品の選択肢はECモールごとに在庫・価格が動きやすいので、スペックを揃えて見比べると失敗しにくいです: Amazonで見る / 楽天市場で見る
/ Yahoo!ショッピングで見る
。

