ニュー・サウス・ウェールズ大学の上級講師、フランシスコ・トルヒーリョ氏率いる研究チームが、高周波の超音波を活用したエスプレッソ抽出手法を開発しました。従来のエスプレッソマシンと比べ、同じ飲料濃度を実現しながら消費エネルギーを約75%削減できる可能性が示されています。超音波を抽出プロセスに組み込むことで、加熱や高圧に頼らずともコーヒー成分を効率よく引き出せるとしており、家庭用・業務用マシン双方への応用が期待されています。
コーヒー業界における「省エネ化」は、業務用マシンの電力コスト削減という文脈で長年語られてきたテーマです。ただ、75%というのはだいぶエグい数字で、もしこれが実用条件下でも維持できるなら、業務用ユースではランニングコストに直結する話になります。
気になるのは、この研究が「同じ飲料濃度での比較」という条件を前提にしている点です。エスプレッソの評価軸は濃度だけではなく、クレマの質・香味成分の構成比・苦味と酸味のバランスといった要素が絡みます。超音波による物理的な抽出メカニズムが、これらの風味プロファイルにどう作用するのかは、原文の要約抜粋では明らかではありません。「同じ濃度が出せる」と「同じ味になる」は別の話なので、ここは続報を待つ必要があります。
【編集部補足】
一般論として、超音波を液体処理に使う技術(超音波抽出・超音波洗浄など)は食品・製薬分野で研究が進んでいると言われており、コーヒーへの応用自体が完全に突飛なアイデアというわけではありません。ただ、大学の研究段階から実際に市販マシンへ搭載されるまでには、素材耐久性・コスト・法規制(食品接触部品への安全基準)など複数のハードルがあるのが一般的です。「買うべきか・待つべきか」で言えば、現時点で市場に出ている製品ではないため、動向を注視する段階に留まります。研究チームの次の発表や、メーカーとの共同開発といった続報が出てきたタイミングで改めて評価したいところです。
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